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第6章「影の密約」
薄明かりの中、王都の裏通りにてリュカは密かに一人の男と会っていた。
その男は秘密結社〈黒影の盟〉の代表、カイン。
鋭い目つきと冷静な態度で知られ、王都の闇を操る者の一人だ。
「お前の力には興味がある。影織りの血を持つ者など稀有だ」
カインは静かに言った。
リュカは警戒しながらも、答えた。
「僕は利用されるつもりはない。父の仇も討ちたい」
カインは微笑みを浮かべたが、その目は冷たかった。
「力を手に入れるためには、時に代償を払わねばならない」
二人の間に交わされた密約は、リュカの未来を大きく左右することになる。
同じ頃、教会の暗黒騎士団レンフォルも動きを活発化させていた。
彼らは密かにリュカを監視し、その力を封じるべく策を練っている。
影が交錯し、王都はますます危険な場所となっていく。
リュカは自らの信念と力、そして誰を信じるべきかを問われながら、運命の渦中に身を投じるのだった――。