表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『影織りの王冠』(かげおりのおうかん)  作者: Rikuya
◎第Ⅰ部 — 王都の影 -
4/6

第4章「教会の影」


冷たい朝霧が王都の石畳を覆い隠す中、リュカは宮廷の広間へと足を踏み入れた。

彼の胸にはまだ母から渡された古びた書物が重くのしかかっている。


「リュカ殿、待っていたぞ」

ひんやりとした声が響いた。


振り返ると、そこに立っていたのは教会の影の使者――暗黒騎士団の一員であるレンフォルだった。

黒い甲冑に身を包み、顔はほとんど見えなかったが、その眼光は鋭く冷酷だった。


「教会が貴族の権力争いに介入するとは珍しい」

リュカは警戒を隠せずに言った。


「我々は王国の安定を守るために動いている」

レンフォルは静かに言葉を続ける。

「だが、『影織り』の力を持つ者が現れたことは予想外だ。お前の力は危険だが、同時に利用価値もある」


リュカは鋭く問い返した。

「利用?それはどういう意味だ?」


レンフォルは一歩近づき、低く言った。

「我々教会は、影織りの力を封じるだけでなく、時にはそれを操る者をも必要としている。お前の力次第では、王国の未来が大きく変わる」


リュカの心は揺れ動いた。

味方か敵か、利用されるのか、あるいは自分が道を切り開くのか――。


その時、背後から一枚の手紙が彼の手に滑り込んだ。

それは、秘密結社からの挑戦状とも言える文面だった。


影が交錯し、王都の闇はさらに深まっていく――。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ