第6話「裏切りの城と、嘆きの剣」
戴冠の混乱から一週間。
王都はまだ深い傷を負い、その傷跡は権力闘争の新たな火種となっていた。
カインが王位を正式に継承して以来、彼の側近と呼べる者たちの中に、密かに不穏な動きがあった。
それは、かつての盟友であり、影織りの秘密を共に学んだ幼馴染、セリオン・ヴァルドアの裏切りだった。
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セリオンはカインの影織りの力を妬み、その力を奪い自らのものにしようと企てていた。
彼の陰謀は、王宮の奥深くにある「裏切りの城」と呼ばれる秘密の要塞で進められていた。
そこには、闇の魔法を司る禁忌の武器――「嘆きの剣」が眠っていると言われていた。
その剣は、持ち主の心の闇を増幅し、恐るべき力を解放するという。
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カインは密告を受けて、ノアや数名の信頼できる仲間とともに、その「裏切りの城」へ潜入する。
だが、そこにはセリオンが待ち構えていた。
「カイン、お前が王になるなんて許せない。影の力は俺のものだ!」
激しい戦闘の末、カインはセリオンに嘆きの剣の力の恐ろしさを理解させるため、あえて自らの影の力を開放し対峙する。
剣の黒い光と影織りの魔力がぶつかり合い、城の壁は崩れ落ちていった。
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最終的にセリオンは捕らえられたが、彼の心の闇は深く、ただの牢獄では治まらないと判断される。
カインは彼を許さず、王都の地下深くにある「影の監獄」へと送り込んだ。
戦いの中でカイン自身も大きな傷を負ったが、仲間たちの支えで再び立ち上がる。
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裏切りの真実はまだ表層に過ぎなかった。
王都の闇の奥底では、さらなる策謀が動き出している。
「影織りの王冠」を巡る戦いは、まだ終わらない。