表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

あの時の私

忘れられない人はいますか?

私には忘れられない人がいる。


4年ほど付き合った彼氏だ。


当時私は中学生、彼氏は大学生。

傍から見て、アウトな恋愛だと分かってはいたし、出会いもネットだったからあまり周りから良しとされる恋愛ではなかった。


私は普通の中学生だった。

至って真面目で、なんなら真面目すぎて地味でイケてない子だった。

彼氏は大学生で、遠距離だが2ヶ月に1回は会っていたし、お互い毎日LINEをした。


好きだった。

何も考えずにあの人と過ごせる毎日が。

私のわがままに付き合ってくれるあの人が。

小説家を目指していて、言葉遣いが綺麗なあの人が。


ただ、ある日から変わってしまった。


彼氏が留年したのだ。

留年はいい。4年も留年したのだ。

ザラにそんな人がいるのは、今大学生になったから分かる。

ただ、私は

「もう留年しないから!大丈夫だから!ごめんね。」

そうやって言う彼を信じたかった。

だけど、4年も留年した。

彼への期待がいつの日か無くなって、彼への失望の方が大きくなっていった。


高校生になった私には、周りがキラキラして見えた。

同い年のカップル、いつでも会える関係性。


期待すらしなくなった彼への対応はどんどん目に見えるほどに冷たくなった。

彼を切り離すには、当時の私には十分すぎるくらいの理由になった。


距離を置こうと言って1週間後、彼のバイト終わりに電話をかけて、別れを告げた。


彼は電話越しでも聞こえるくらい泣いていて、泣きそうにすらならない私は、私ってこんなに彼に冷めてたのかって再認識した。


彼とはそれ以来連絡はとってない。

もう連絡先も消して、二度とかけることはない。

そう思っていたけど、自分の辛かった時期に1度だけ連絡してしまった。

彼からはすぐにLINEがきて、普段怒らない彼から怒られてしまった。

「何をしてるんだ。幸せじゃないのか。」

それに対して3通ほど送ったあと、また連絡先を消した。

変わってない彼に安心したのもある。

ただ、それ以上にまだ彼の中に私って存在が生きてるのかって思ってしまったのが嫌で嫌で。


今もまだ、彼の名前を検索して何をしているのか気になってしまう。

彼の小説家としての名前を検索して、作品を見てる。


もう戻ることも、戻れることもない。

彼は忘れられない人だ。

一生忘れることは無い。

けど、未練では無い。

あの人と一緒になることは絶対にない。


それが私のできる唯一の罪滅ぼしだと私は信じてやまないのだ。

さようならすら言えなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ