表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
河合教  作者: 上本准
3/20

-3-

佐々木は喪服に身を包み葬式会場にいた。

幼馴染の藤井が亡くなったと実家から連絡があったのは昨日の朝だった。そこからすぐに身支度を済ませその日の通夜に間に合うよう新幹線に飛び乗った。

藤井はクローゼットで首を吊って亡くなったとの事だ。状況から見て自殺で間違いなかった。大切な一人娘を亡くし藤井の両親は憔悴しきっていた。

佐々木は藤井の事が好きだった。本当な一緒に東京の大学を受けようと言いたかったが溺愛している一人娘をこの両親から取り上げる事は出来なかった。

葬式は滞りなく進んでいった。佐々木は葬式が終わればすぐに東京に帰ろうと思っていたが佐々木の母から藤井さんが淳平に渡したい物があるから明日家に来てくれと言われたのでこの日もう一泊する事になった。

翌日藤井家に着くと両親が出迎えてくれた。

客間に通されると藤井の父が口を開いた。

「淳平君生前は娘がお世話になったね。私達夫婦は淳平君の様な人に娘を預けたいそう思っていたんだ。恐らく娘も淳平君の事が好きだったと思うよ。」藤井の父は佐々木を真っ直ぐ見つめてそう言った。隣の母親は目にハンカチを押し当てていた。

「娘が残した日記があるんだ。中身を少し読んだけど今の私達には重すぎる。かといってこの日記を捨てる訳には行かないんだ私達夫婦がいつかは向き合わないといけないそんな日記なんだ。だから私達夫婦がその日記に向き合える日まで淳平君に日記を預かっていて欲しいんだ。引き受けてくれるかな?」

佐々木は静かに頷いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ