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河合教  作者: 上本准
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「あんたなんて生きる価値の無いクズなのよ。さっさと死んでしまいな。」閉店後の店内に河合春紀の怒号が響き渡る。河合は31歳の女性で体型はかなり太っており、顔も醜く冴えない容姿といったところだ。

一方その罵倒を浴びせられた藤井美咲は20歳の女子大生だ河合とは対照的に容姿は整っているが全体的に幼さが残っており、その目は涙ぐんでいた。

「泣いて助けてもらえるなんて世の中そんな甘くないのよ。さっさと仕事片付けな。」河合そう追い打ちをかけると客の食べ残しを藤井に投げつけた。

2人が働いているのはファンズというファミリーレストランだ。

河合は長時間勤務のパートで藤井はアルバイトだ。

その為藤井の立場は大変弱い。店長含めて他の従業員は藤井が虐められているのを見て見ぬ振りだ。

なぜなら河合を責めたら次は自分が虐めの標的になるのを分かっているからだ。

ではなぜ河合は藤井を執拗に虐めるのか。

理由は単純で以前この店で働いていた朝山太陽という男子大学生に河合が惚れたからだ。

しかし朝山は容姿端麗な藤井とデートをした。それが気に入らなかったからだ。元々藤井に対してあたりが強かったがこの出来事以降エスカレートしていったのである。一方藤井と朝山はというとそのデートの日に性行為をした。その後朝山は藤井をデートに誘う事は無かった。

朝山にとって女性は単なる性的欲求を満たす為の道具であり、性的な事に消極的な藤井をデートに誘うのは時間の無駄だと感じた。ただバイトの際顔を合わすのが気まずいから取ってつけた理由で朝山はバイトを辞めた。これが悪手だった。

その後河合の虐めは更に酷くなっていった。

その様子を見かねた店長は藤井にバイトを辞めるよう促したが藤井は既に正常な判断が出来ずにいた。

閉店業務は2人で行う。店長は苛烈な虐めが発生しているにも拘らずシフトに関しては配慮しなかった。

その結果河合と藤井の2人で閉店業務をする事になりこの苛烈な虐めへと繋がっているのだ。

そしてこの日の夜悲劇が起こったのである。

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