思い出した謎
色々な事を忘れるゾーンに入ったな。
と、思う。
すぐ忘れる。
「忘れる」ということを忘れていなければセーフとか言ってたので、セーフなんだと思う。
昔。
親戚とみんなで海に行った時のこと。
予定が決まり、会社帰りにシュノーケルの道具を新調して準備万端である。
行き先は神奈川県のお隣、伊豆の海。
お隣と言えどかなり遠く、時間がかかった。寝てたけど。
海に着き、しばらく色々してからみんなが海に入り出す。
コロンもおろしたての水中マスクとシュノーケルとフィンを装備して、膨らませた浮き輪の中に入る。
(コロンは泳げないので、浮き輪必須)
浮き輪がどっか行かないよう、浮き輪と足を専用の紐で結ぶ。
「安全対策っっっ!!」シャキーン!!
伊豆の海は水が透き通っていて、マスク越しでもかなり深いところまでよく見えた。
シュノーケルでゆっくりと呼吸を続け、フィンのチカラを借りてゆらゆらと進む。
「潜れるかな…」
大きな勘違いをしたまま、浮き輪から手を離す。
とぷん。
シュノーケルの先が水に入っている事を忘れて息を吸う。
ぶっといストローで吸ったように、海水が一気に口の中に入ってきて溺れた。
バシャバシャしながら浮上し、ひいひいと浮き輪にしがみつく。
「死ぬかと思ったっっ!!」怒
一瞬死にそうになってちょっと怖かったと思って海から上がる。
陸に上がると浮力を奪われて体が重たい。
ヨボヨボと砂利の上を歩いていると、親戚のお兄ちゃんに手招きをされた。
ヨボヨボしながらお兄ちゃんのところに行き、口を開く「今溺れ…」するとコロンの言う事を遮ってお兄ちゃんが言う。
「コロ、あの岩と岩の間見てきてみ」
ん?岩の間?
そう言われてまたヨボヨボと岩の割れ目に近づき、中を覗く。
20センチくらいの割れ目の先、1メートルくらいある暗闇の中に「御彼岸」と書かれた卒塔婆が数本立てかけられていた。
「お墓の裏にあるやつ!!!」
ガクブルしながら戻ると「どうやって置いたんだろうな」と言って、お兄ちゃんが笑っていた。
ほんとだ。どうやって置いたんだろう??
おわり。