お庭のでぶす
今のお家のお庭。リビングの大きな窓の前はつつじとか椿とかが植った昔ながらのお庭。
小さな砂利が敷いてあり、枯山水が出来そうな感じ。
で、お庭メンテナンスに庭師が来てくれた。
シャキシャキとした好ましい年配の方。
前に来た人は「それ…もともとは白だったよね?」というラクダ色の「それ…もともとはTシャツだったよね?」という穴だらけの擦り切れた雑巾みたいのを着た、歯の無い人。
その人に
「どんな風にご希望されますか?」
と、聞かれたので
「なるべく小さくしてほしい」
と、答えたら
「見た目があるのであまり小さくは出来ない」
と。
ならば聞くな。と思いながら一年。
今年の人に色々話を聞くと「ばっさり切りましょう。これはこうしてはダメなんですよ」
「え?去年の人が残していきました」
「…ああ…あはは」
雑巾め!!
今年の人は、お庭の木の切り方を丁寧に教えてくれる。
「これは切っても来年咲く」「はい!」
「これはこうしちゃいけない」「はい!」
「ここはこうすると良い」「はい!!」
スタジオめぐみ様がエッセイで「ドクダミはハサミで切るのが1番良い」と言っていた。
ずっと気になっていたのだが、庭師の人も「ドクダミはハサミで切るのが1番いい」と言ってびっくりした。
めぐみサマと同じ事言った…感動…
「じゃあドクダミはハサミで切る事にします!!」
その後もありがたいレクチャーは続く。
「紫陽花だけは切り方が違って『デブス』と言って」
「んあ??でぶす?」
「…ん、まあ、いいや」
そこは教えてもらえなかった。
おわり。