六話
屋敷に戻ると、屋敷は騒がしかった。私がいなくなったからだろう。
「お嬢様!!お嬢様が見つかりました!」
私を一番に見つけたリエがみんなに伝えてくれて、私は無事に屋敷に戻る事ができたのだった。
我が家の騎士達は、私が捕まったのに気づきすぐに誘拐した奴らを捕らえようとしたのだが、相手が相当腕が良かったらしく、騎士二人が動けない状態の様だ。他の騎士達は行方を追ってあのオークションに行き、フェル達と合流して探した様だが、見つからず戻ってきたばかりだった様だ。
「お嬢様!ご自分で戻られたのですか!」
と、戻ってきた時の騎士達の驚いた表情は凄かった。人って驚いたら本当に目を見開くのね。
私は戻ってきた経緯を話すと、当然叱られた。だが、無事で良かったとも言われた。
その後両親にも再会したが、両親はもう号泣。しばらくの間横にいたキースは置いてけぼりだった。
「それで?この子は?」
母アリシアがキースに目を向ける。私はキースと出会った経緯を話した。すると、しばらくの間屋敷にいてもいいということになったのだった。
キースが滞在してから一週間が経った。あれからというもの警備も騎士の訓練も厳しくなり騎士たちも大変そうだ。そんな中、キースは騎士の訓練に混じっているのである。というのも屋敷に戻ってから二日が経った頃のことである。急にキースが、
「騎士の訓練に混じらせてくれないか?」
と、私に話に来たのだ。
「混じりたいの?どうして?」
「……興味があって。」
「そうなんだ!全然いいよ!言っとくね!」
こうして、騎士の訓練に混じることになったのだ。すると、キースはみるみる剣の腕を成長させた。流石、半年後には騎士になっているだけある。
キースここに滞在するのは、一ヶ月の予定である。その間、キースが沢山見れるなんて眼福である。なので、私は毎日訓練場に来ていた。
「お!今日もきたんですね!エレナ様!」
と、私に話しかけているこの赤髪の男はトーヤである。
トーヤと、私の専属メイドリエとは幼馴染であり、同じく奴隷商にいたのである。リエと一緒に逃げていたところで私と出会ったのである。なので、リエと同じく、私を恩人だと思っている為、私が誘拐された時すごく後悔した様で、訓練に一番取り組んでいる。
そんなこんなで、日々は過ぎ、あっという間に後一週間でキースが去ってしまう。まぁ、キースはこの後一人でも生きていけるだろう。
だが、私がこの数週間考えていた事がある。何故、王妃を殺そうとしたのか。反逆しようとしたのか。私には分からない。そして、何故オークション会場いたのか。私と同じく誘拐され、オークション会場にいたという設定は私の知っている限りなかった。ということは私の知らない事が起こる可能性がこれからあるという事である。だが、これだけは言える。私は彼を犯罪者にはしたくない。誰が推しの苦しむ姿を見たいと思うのだろう。
なので、私はキースにある提案をする事にした。
「キース、私の家の騎士にならない?」
そう、キースを私の近くにいてもらおうという作戦だ。少なくとも近くにいれば何故あの様な事をしたのか分かるかもしれないし、止めれるかもしれないからだ。
「……僕も最近考えていたんだ。騎士になりたいと。僕こそここにの騎士になってもいいですか?」
「勿論!」
こうして、キースは我が家の騎士見習いとして屋敷にいることになったのだった。
これから半年、すぐにキースは騎士の試験に合格。晴れて私の専属騎士となったのだった。