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霹靂の剣聖  作者: いなさと
一章 禁忌の森
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第五話 神覚醒・上

「ハッ、そうこなくっちゃな!」


俺は雷神を抜き横に一閃。

鬼人はそれを空間の裂け目に入り避けようとしたが俺の刀は空間ごと鬼人を切り裂いた。


「グォッ!?」


「凄いな、これでも力の一部なのかよ…」


鬼人の傷口は帯電しており再生を防いでいた。

鬼人は再生を阻害されている事に怒りを感じているのか頭から血管が浮き出ていた。


「グォォォォォォッッッ!!」


しかし、それも鬼人の咆哮で消し飛ばされ瞬く間に再生された。


「チッ、流石にすぐには使いこなせねぇか」


鬼人は俺に今度は近接で仕掛けてきた。

拳にはドス黒い魔力を纏っており、当たればひとたまりもないだろう。


俺は必死になって避けて反撃のタイミングを伺っていた。

しかし、相手が簡単に隙を晒す訳なくしばらく一方的に攻撃されているだけだった。


鬼人が俺の腹向けて拳を打ち出した時、俺は咄嗟に避けきれず腹に力を入れたが衝撃はこず、違和感が残るだけだった。


「グォ!!??」


鬼人の拳は俺の腹に刺さっていたのだが、俺の身体からは血すら出ておらずなんとも無かった。

ただ俺の体は雷を纏っており、物理攻撃が無効化されていた。


そこからは一方的だった。

魔法を撃とうと距離をとろうとした鬼人の懐に潜り込み、肩から腰までを一閃。


無理矢理魔法を使おうとした鬼人の手首を切り落とし、ついでに肩も落としておいた。


「グォォォォォォッ!!」


片手を失った鬼人は怒り心頭といった様子で叫び、考えなしに攻撃し始めた。

こうなったら勝負ありだ。


さっきまで苦戦していたのが嘘のように逆転し、今では鬼人が追い詰められていた。

しかし、ここで俺は油断していた。


『王』たる魔物が自分と同じように進化もとい覚醒すると言う場合を考えていなかった。

と言うかあり得ないと思っていた。


しかし『王』にまで至った魔物ならあり得るのだ。

鬼人の様子が明らかに変わり周りの空気も一変した。


まるで重力が倍になったかのような重圧を感じる。

本能が危険だと警鐘をならしていた。


「クハハハッ!感謝するぞ!人間!こうして進化する事が出来たのだからな!」


『主よ、これはマズイぞ。思念ではなく言葉を発せられる魔物は神話に出てくるような化け物しかいない。ここからはさらに覚悟して相手をしなければならない』


「そんなに強くなってるのか!?」


予想外の出来事に戸惑っていると、腹の辺りに衝撃が走る。


「グッ…カッ――」


俺に物理が効かなくなったはずなのに拳で殴り飛ばされた。


「人間!お前その力、使いこなせてないな?魔力制御がなってないぞ!その程度なら俺の魔力で阻害できるぞ!」


「なん…だと…!」


「クハハハッ!残念だったな人間!下等生物の割には良くやったと思うぜ!でも俺に喧嘩を売ったのが間違いだったなぁ!?」


またもや立場は逆転し、俺が一方的に殴られていた。

シーラも手出し出来ずただ見守ることしかできないでいた。


(くそっ!人生満足に生きられたことなんて前世でもないのに!俺はここで死ぬのか!?もう終わりなのか!?――いいや、まだだ!俺にだって出来る事はまだたくさんあるッ!こんなところで死んでたまるかッッ!!!)


「うぉぉぉぉぉぉぉッッ!!!!」


「急にどうした人間ッ!」


「俺はまだ死ねないッッ!!!」


「ッ!?!?!?」


その瞬間俺は世界がスローモーションのように見えた。

その時の俺の目は黄金に輝いており、雷神の如く雷を迸らせていた。


「人間ッッ!!何をしたッ!?」


フッと鬼人の目の前から俺の姿が消える。

次の瞬間には俺は後ろにいて鬼人の腹に深く切り傷が付いている。


「グハッ…!?」


「次で最後にするぞッッ!!」


「貴様ァァァァッッ!!!人間の、下等生物のクセにぃぃッッ!!!」


「雷神・一刀流――虚式・朧雷鳴斬ッッ!!」


「グッッッ――グギャァァッッ!?!?」


鬼人は真っ二つに両断され、血飛沫を上げながら倒れた。




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