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霹靂の剣聖  作者: いなさと
一章 禁忌の森
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第四話 『王』

今日も順調に高ランクの魔物を斬りまくっていた。

するとシーラの様子が明らかに変わった。


「どうした?シーラ」


『主よ、ここからは王の魔物の縄張りだ。気を付けろ』


「『王』か…わかった。気を付ける」


俺も異様な雰囲気は感じていた。

それに所々に空間にヒビが入っている。


シーラ曰くこの森の『王』は空間属性を得意とするらしい。

魔物は基本種族によって得意属性や魔法があるが、ごく稀にイレギュラーが生まれる事がある。


そのイレギュラーは決まって『王』の魔物になるらしい。

だが、この森の『王』は異空間にいるらしく、シーラも見た事がないみたいだ。


慎重に森の中は進んでいるといつの間にか別の空間に入り込んでいた。


『まずいぞ、主。奴の異空間に誘い込まれたんだ』


「――ッ!」


突如目の前の空間が裂け、鬼の魔物が出てくる。

額から2本のツノを生やしているがそれ以外はほぼ人間と変わりない。


『鬼人か…主よ、鬼人は元々強い部類に入る種族でそのイレギュラーだから相当強いぞ』


「あぁ、わかっ――たァッ!?!?」


急に目の前から姿が見えなくなったと思ったら横腹を殴られていた。

もろに食らった俺は吐血しながら木に衝突する。


その際に何本か木をへし折り、かなり遠くで止まった。

よろよろになりながら立ち上がりすぐに復帰する。


戻るとシーラと鬼人が戦っていた。

戦況は火を見るより明らかでシーラが負ける勢いだった。


シーラは本気で相手しているのに対し鬼人はそこまで本気を出していないようだった。

シーラは俺と毎日のように戦って雷を纏った時のスピードは神速に達していた。


それをものともせず受け止め、流している。

鬼人もカウンターを何度か食らわせており、シーラの体は痛々しい程に流血していた。


俺はすぐさま雷神を抜き、助太刀に入る。

俺と入れ替わるようにシーラが後ろに引き俺が前に出る。


流石、空間属性を得意とするだけあって転移をよく使ってくる。

それも自分たけじゃなく、魔法も転移して来るので鬼人に距離という概念はなかった。


でもこれは俺にとっては好都合。

俺の居合術は間合いに入った瞬間、半自動的に両断されるのだ。


実際鬼人の魔法を防ぐ事が出来ていた。

しかし、次の瞬間俺の右腕は飛んでいた。


「グゥッ…!?!?」


『主!』


なんと鬼人は俺の右腕があった場所に魔法を転移させできたのだ。

そして次の瞬間には俺の胴体に大きな穴が空いていた。


「グォボォッ……」


シーラは急いでエルの体と刀を加えて戦線離脱をした。

奴の空間にいる以上逃げる事は出来ないのだが、それでも逃げるしかなかった。


『主!しっかりしろ!』


今のエルの状態はとてもじゃ無いが生きているとは思えないほどのものだった。




 ◇




「ここは…?」


俺はただ真っ白な空間にいた。

しかも一体どこまで続いているのかもわからないほどに遠くまで広がっている。


すると、目の前に光る(もや)のようなものが現れた。


「マスター。貴方は今命の危機に瀕しています」


「お前は…?」


「私は雷神。マスターの刀です」


「お前が雷神なのか…?どうしてここに…」


「マスター。貴方は今私が作り出した神域にいます。ここでは外の時間と隔離されており、時は止まっています」


「神域…?一体どう言うことなんだ?」


「私はその名の通り神の一柱。神域とは神の住まう場所です。マスター。あまり時間が残されていないので私の力を一部授けます。この力を使えるかどうかはマスター次第です」


「ち、ちょっと待て。訳が分からない、詳しく説明してくれ」


「マスター。そんな時間はありません。もうそろそろ目覚める時でしょう。今はまだ真実を知るべき時ではありません。どうかご武運を」


そう言って気付いた時には俺の目の前にはシーラがいた。


『主よ、大丈夫なのか?』


「あぁ、心配ない」


鬼人につけられた傷はすっかり治っており、万全の状態だった。


「あいつを倒しに行くか」


俺達はすぐに鬼人の元へ向かった。

鬼人は岩の上に鎮座しており俺達を待っていた。


「随分舐められてるな」


『主よ、どうする』


「ここは俺に任せてくれ」


俺は鎮座する鬼人の元へ歩いていく。

鬼人はうっすらと笑みを浮かべて俺を見ていた。


「さっきは負けたけどよ、次はそうはいかないぜ?」


鬼人はゆっくり立ち上がり咆哮を上げた。


「ウォォォォッッ!!!!」




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