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霹靂の剣聖  作者: いなさと
一章 禁忌の森
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第一話 【霊刀:雷神】

俺は勝本冬至(かつもととうじ)。高校二年生だった。

何故か俺は交通事故で死んで気がつくと赤ん坊として産まれていた。


俺が産まれた家は普通の家だった。つまり平民だった。

俺はどうやら異世界転生たるものをしてしまったらしい。


ひとまず5歳まで普通に過ごし、そこからは父親に剣を教えられ、日々修行に励んでいた。


そして、この世界には職業(ジョブ)と呼ばれるものが存在してこれで人生が決まると言っても過言ではない。

この職業は10歳になると教会に行って見ることができる。


それまで子供は少しでもいい職業をもらおうと努力するのだ。

父の職業は【剣士】らしく俺には【剣士】の上位職である【剣聖】になってもらいたいらしい。

俺も【剣聖】は強くてカッコ良さそうだと思ったので普通に頑張った。


そして俺は10歳になった。

父と母と一緒に教会に向かった。


「エル、お前ならきっと【剣聖】を授かることができるさ」


「そうよ、エル。心配しなくて大丈夫。あなたはよく頑張ったわ」


「うん。ありがとう。父さん、母さん」


教会には俺以外にも沢山の子供達がいた。

そこには貴族平民問わずいろんな子供達が今か今かと待ち侘びている。


すると前方の方でワッと歓声が上がった。


「貴方の職業は【剣聖】です」


「流石はブラウス家の御子息様だわ」


「人生勝ち組だな…」


どうやら既に【剣聖】がでたらしい。

別に既に出だからといってなれないわけじゃない。

重複する事も多々ある。


ワクワクする気持ちを抑えながら順番待ちをしているとついに自分の番がやってきた。


「お願いします」


「はい。あなたの職業は…【霊刀:雷神】です」


「【霊刀:雷神】…?」


「霊刀…刀ですか…まぁ頑張ってください」


「…?」


神官の反応が気になったが聞くわけにもいかず、家に帰った。

だが、案外その理由を早く知ることになる。


「エル…刀はな、扱いが物凄く難しいんだ。片刃で細いし折れやすいんだ。だが、極めれば対人戦闘で無類の強さを誇る。これが刀なんだ」


元日本人の俺からするとそんな事は知っている。

何よりカッコいいってだけで使いたくなるのが刀なんだよな。


「うん。この職業を授かったからには頑張ってみるよ」


それからは毎日刀を召喚しては鍛錬をしていた。

ある日親から旅行に行こうと提案された。

断る理由も特にないので了承した。


馬車で移動し、隣町に行こうとしていたのだが森で魔物に襲われてしまった。

父は【剣士】で俺は【霊刀:雷神】を授かっていたので対処できると思っていたのだが、無理だった。


俺達を襲った魔物はBランク指定の魔物で一般人には到底敵わないレベルだった。

母が殺されてから父は悲しみで戦意喪失し殺された。


俺は命かながら逃げ切った。

しかし、無我夢中で走って逃げたため危険区域である禁忌の森まで迷い込んでいた。


禁忌の森は最高ランクであるSランクの魔物が複数存在している森であり『王』たる魔物が君臨している。

俺が迷い込んだ場所は最悪の場所だった。


俺がいるところはまだ浅いところだったのだがそんな事を知る由もなく至る所から死の気配を感じる。


『グルル…』


「クソッ…命かながら逃げてきたってのに」


『グワァッ』


俺の喉元に噛みつこうと狼の魔物は襲い掛かってきた。

ギリギリ躱した俺は雷神を召喚して鞘から抜いた。


刀身は誰もが魅入ってしまいそうなくらい輝いておりただならぬ雰囲気を醸し出していた。

俺の刀を見て警戒度を上げた狼だったが俺の動作をみて素人だと確信したらしく一気に攻めに入った。


俺は狼の牙をギリギリ防ぐ事しかできず、傷が増えていく一方だった。

そんな攻防を続けているうちに俺の体力がどんどん削られていき、受ける攻撃が増えてしまった。


これを勝機と踏んだ狼の魔物は俺に飛び掛かってきた。

俺は足がもつれて後ろに倒れる。


なんとか狼の魔物の腹を蹴り上げて後ろに回転して立ち上がった。

俺が起き上がった頃には狼の魔物も立ち上がっており、またしても俺が不利な状況が続いた。


正直俺は死を悟っていた。

長期戦になればなるほど不利になるのはわかっていた。


相手もそれを分かっていてわざと時間稼ぎをしているのだろう。

確実に仕留められる時まで。


遂に俺は刀を支えにしないと立てなくなってしまった。


「ハァハァ…クソ…ここまでか…」


『グルル』


狼の魔物は次で仕留めるつもりらしく体を縮め、牙を剥き出しにしてこちらに走ってきた。


「クソォォォォォォッッ!!!」


俺は最後の力を振り絞り刀を地面から抜いて構えた瞬間、視界が真っ白に染まり、目が見えるようになった頃には狼の魔物が黒焦げになって倒れていた。


「どういう事だ…?」


俺は新たな魔物の仕業だと思い周りを警戒するが先程まで感じていた気配が綺麗さっぱりなくなっていた。

ますますわからなくなりふと刀を見ると刀身に雷が迸っていた。


「お前の力なのか…?」


そうだと言わんばかりに刀身が光る。


「ハハ…そうか。そういえば雷神だったなお前」


俺は仰向けに倒れた。

流石に限界だったため起き上がることができない。


幸い今は周りに魔物がいないみたいだったので少し休むことにした。

この状況も腰にぶら下がっている刀の仕業とも知らず俺は眠りについた。


魔物のランクは下からF E D C B A Sとなっております。基本的なランク付けはこの形でいきます。

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