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第92話 長寿犬の撮影
オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
今日は『ごまだんご』の撮影日だ。
実は、『ごまだんご』が先日、十五歳になったので、町から表彰を受けることになったんだ。
ここの町特有のものらしいんだけど、事前に自治体に飼い犬の写真を提出しておくと、なんと表彰状に、その写真を載っけてくれるらしい。
そりゃいいね。
でも、飼い主のお婆ちゃんは、撮影できる腕を持ってないから、普段カメラを持ち歩いているパパさんに白羽の矢が立てた。
というのが、前回までのあらすじ!
まぁそうやって安請け合いした結果、パパさんはお婆ちゃんの家の中を、逃げる『ごまだんご』を追って、走り回るハメになったわけだ。
昼から撮影を始めて、夕方やっと終わった。
最後はお婆ちゃんにダッコされての撮影だ。
だったら最初っからお婆ちゃんにダッコして貰ってるとこ撮れば良かったじゃないか。
お陰でパパさん、帰るときには激しく消耗してた。
あほらし……。
どんまい、パパさん。
そして今日も日が暮れる。