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第82話　初コメント

オレの名前は『みたらし』。

二歳の柴犬だ。

朝からパパさんが大騒ぎしている。

狂喜乱舞って感じ。

ママさんも眠い目をこすりながら起きてきた。

オレも一緒に起きる。

なになに、なんなのさ。

ママさんが、パパさんに呼ばれて、秘密部屋に行った。

秘密部屋っていうのは、収納スペースにパパさんが勝手に机だのイスだのPCだの持ち込んで作った、動画編集室のことだ。

さすがに狭くてパパさん一人しか入れないので、ママさんとオレは、スライドドアを全開にして、外から見ることになる。

見ると、PCの画面に、オレと『しらたま』が並んで水風呂に入ってる映像が流れている。

あぁ、あったね、そんなの。

興奮冷めやらぬパパさんの解説によると、先日、ママさんの実家に帰省したときに撮った動画に、初めてコメントが付いたらしい。

オー、ワンダフル！　だって。

なるほど、外国の人がコメントを残してくれたのか。

パパさん、嬉しさのあまり、泣いてるし。

ママさんが、はいはい良かったね、と苦笑いしながら、拍手した。

ワン！

オレも拍手代わりに吠えてみた。

良かったね、パパさん。

そして今日も日が昇る。