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第76話 そして帰宅へ
オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
玄関に置かれたダンボールに、ドサドサ野菜が入れられる。
入り切らない野菜が、玄関に積まれる。
キュウリがあるよ? キャベツもある!
お野菜、いっぱいだ。
やったーー!
パパさんがママさんのパパさんに呼ばれて、納屋に行った。
あーー、ありゃ米だな。
確か、一袋、三十キロもあるんだよ。
パパさん、ひぃひぃ言いながら、米袋を車まで持っていく。
見る見る内に、車に荷物が乗せられていく。
パパさん、ママさんの荷物もあるのに、こんだけ他に荷物が乗ったら、オレの乗る場所がかなり狭くなっちゃうぞ?
あ、やっぱり帰るんだ。
『しらたま』がオレの隣にそっと寄り添う。
おい、『しらたま』、オレ、帰るらしいぞ。
もっとここにいてもいいのになぁ……。
しゃーない。
また来るさ。
ワン!
パパさんの運転する車が、ママさんの実家を出る。
手を振って見送られるオレたち。
車がかなり重くなったみたいで、パパさん、運転しづらそうだ。
ママさんの実家がどんどん小さくなっていく。
ばいばい、ママさんの実家。
そして今日、オレは家に帰る。