65/365
第65話 鶏団子
オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
あー、暑いー。
もう、朝からグッタリだよ。
カリカリ?
いらない。
なーんにもいらない。
オレは朝から動かなかった。
ママさんがオレの鍋の中身が全く減っていないことを確認して、台所に行った。
なにやら冷蔵庫と格闘している。
ムダだよ。
今日は何も食べないからー。
しばらくすると、台所から何やらいい匂いが漂ってきた。
戻ってきたママさんが、オレの前に深皿を置く。
鶏団子っていうらしい。
食欲無いんだけどなぁ。
でも、ママさんの努力を無にするのも忍びないので、じゃ、ちょっとだけ。
……うーまーいーぞーー!!
オレはガツガツ食べた。
あまりの美味しさに、シッポがパタパタ動いちゃう。
あれ? 無くなっちゃった。
もっとちょーだい!
がんばれ、オレ。
そして今日も日が暮れる。