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第49話 ハナちゃん
オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
お、いたいた、ハナちゃんだ。
この散歩コースを取ると、ハナちゃんに会える可能性があるので好きさ。
ハナちゃんは、オレと同じ柴犬だ。
少し年上で、とってもおとなしい。
カノジョは外飼されてて、オレよりちょっと茶色が濃い。
本名は『花林糖』って言うらしいんだけど、飼い主さんも『ハナちゃん』って呼んでる。
オレはハナちゃんの近くに寄って、鼻先を擦り寄せた。
ハナちゃんも応じてくれる。
すりすり。
あー、今日も可愛いな。
『ごまだんご』とは、大違いだ。
ほら、家の裏にいるでしょ? お婆ちゃん犬。
あれ、いっつも吠えるじゃん。
あー安らぐなー。
よし、ハナちゃんを堪能したぞ。
さ、散歩の続き行こっか、パパさん。
頑張れ、オレ。
そして今日も朝日が昇る。




