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第48話 伝説のおやつ
オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
ご、ご主人さま、ソレをわたくしめにくださるのですか?
オレはパパさんの指示通り、おすわりをして待った。
シッポのパタパタが止まらない。
あぁ、待ち遠しい!
パパさんが横目でオレを見ながら、例のオヤツのフチを切る。
あぁ、いい匂いがする……。
パパさんが何かおかしな曲を口ずさんでいる。
まだかな、まだかな。
用意ができたようだ。
パパさんが右手にカメラを構え、左手に例のオヤツを持つ。
パパさんが首を横に振る。
……まだ?
パパさんが首を横に振る。
……まだ?
パパさんが首を縦に振った。
やったぁ!!
ペロペロペロ。
うま、うま、うまーー!!
こんな美味しいものがこの世にあるだなんて!!
パパさんが夢中になって動画を撮っているが、そんなの気にしてらんない。
こっちも食べるのに夢中だい!
やったね、オレ。
そして今日も日が暮れる。