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第43話 流しみたらし
オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
うぉー、今日は暑いなー。
お、用水路だ。
入っちゃえ。
じゃぶじゃぶ。
おほー、気持ちいい!
オレは水に浸かって伏せをした。
オレの身体に沿って水が流れていく。
こうね、絶妙な水の量っていうかね。
伏せをすると、ちょうど首の下辺りを水が流れるのよ。
あー涼しい。
よし、そろそろあがるか。
オレが用水路から出る。
ブルブルブル!
よし、水が吹き飛んだぞ。
さ、散歩の続きしよっか。
しばらくして、パパさんがオレの足を見て、あちゃー、という顔をする。
ん? 何か変?
あぁ、足か。うん、真っ黒だ。
あははー。
通行人が笑ってる。
でも気にしなーい。
さ、お散歩の続き、いこー。
ワン!
パパさんが恥ずかしそうにしている。
でも気にしなーい。
さ、お散歩の続き、いこー。
どんまい、パパさん。
そして今日も日が暮れる。