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第42話 ミミーの日干し
オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
オレの朝は早い。
日が昇ると同時に散歩に出かける。
お、あるある。
今日も道路に茶色の長い棒が落ちている。
クンクン。
おー、いい香りだ。
この香りを身体に纏おう。
ごろんごろーん。ごろんごろーん。
パパさんが大あくびをしている。
ま、朝早いからな。
どれ、よっこいしょっと。
ワン!
そろそろ行くよ!
オレは立ち上がって、パパさんに向かって一吠えした。
パパさんが眠そうな目をこすりながら、オレに近づく。
パパさんの足が止まった。
パパさんが、急に不審そうな表情になって、顔だけオレに近づける。
ギャーーーーーー!!
うぉ、いきなり引っ張るなって!
オレの身体に付いた棒が落っこちるってば。
なんだい、いい匂いなのに……。
どんまい、パパさん。
そして今日も日が暮れる。