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第348話 エコー写真
オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
――これ、何だと思う?
ママさんが変な白黒写真を見せてきた。
カラーならまだしも、白黒で、奇妙な模様が写ってる変な写真だ。
っていうか、その問題、人にだって難しいだろうに犬に分かるわけなかろう?
うん、降参。
ワン。
するとママさんがニヤニヤしながら教えてくれる。
――これ。この豆粒みたいに小っちゃいのが赤ちゃんなの。出てくるときにはもっと大きくなってるんだけど、『みたらし』、これがあんたの弟だか妹だかになる子なのよ?
ちっさ!
へぇ。人間って面白いなぁ。
まぁ、ママさんの嬉しそうなこと、嬉しそうなこと。
鼻歌、歌ってら。
オレはママさんに撫でられながら、しばらく写真を見ていた。
良かったな、ママさん。
そして赤ちゃんにはいつ会えるんだろう。