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第347話 ハンバーガー
オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
――あぁ! 牡蠣バーガーだ! もうそんな季節なんだ!
――あら本当。時が経つのは早いわねぇ。
パパさんの運転で買い物に出かけている最中、ハンバーガ屋さんの垂れ幕を見たパパさんの目が輝いた。
オレも後部座席から垂れ幕を見た。
ほぉん。これが食べたいのか、パパさんは。
――ドライブスルー、寄って……いい?
――嘘でしょ? お腹壊したばっかりじゃない!
――いや、でもさぁ。あれ、期間限定じゃない? やっぱり見ちゃうと食べたくなるんだよなー。
――うーーん。じゃ、一個だけよ?
――やったー! ありがとう、ママ!
パパさんはウキウキで車をドライブスルーに入れた。
ママさんはついでにスィーツを注文していた。
オレの分? 無いよ、そんなの。
その分、何か、くれよな?
にしても、そんなに美味しいのかね、牡蠣バーガー。
良かったな、パパさん。
でも、お腹壊したばっかりなんだから、無理すんなよ。




