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YouTuber犬『みたらし』の日常  作者: 雪月風花
342/365

第342話 新たなYouTuber

 オレの名前は『みたらし』。

 三歳の柴犬だ。


 パパさんと行った散歩から帰ってくると、お向かいさん家のお兄ちゃんが家のすぐ外で、自撮り棒を付けたスマホに向かって何やらボソボソ喋っていた。


 なんだあれ。


 オレが唐突に止まったのを見て不審に思ったのか、パパさんがオレの視線の先を見る。


 ――なんだあれ。


 そうやってオレとパパさんがしばらく眺めていると、お兄ちゃんが気付いて寄って来た。


 ――あ、お向かいのおじさん。難しいですね、カメラに向かって喋るって。

 ――おじさん……。何やってたの?

 ――いや、家でグデグデしているのも何なんで、ボクもYouTuberやってみようと思って試しに撮ってたんですよ。

 ――へぇ、キミ、YouTuberやるんだ。それはそれは。あ、でも撮る時には自分の名前とか住所とかが特定されないよう、撮影場所や角度とか、充分に注意して撮るんだよ。

 ――へぇ。勉強になるなぁ。


 お向かいさん家のお兄ちゃん、意外と真剣にパパさんのアドバイスを聞いている。 


 本当にYouTuberやるの? お向かいさん家のお兄ちゃん。

 あんまりおススメは出来ないけど、やるからには頑張るんだぞー。

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