第339話 日の出と海でリフレッシュ!
オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
ふわぁぁぁぁ、眠い。
出発が早かったから眠くて眠くて。
GWということで、オレはパパさんママさんと一緒に海にやってきた。
もちろんパパさんの運転なんだけど、朝三時に家を出て今は……四時半過ぎ。
一時間半も運転してたって計算だな。
そして、こうして少しずつ明るくなっていく中、海を眺めているわけだ。
ところが驚いたことに、サーファーがもう海に入ってやがるんだ。
でも、海風がとんでもなく冷たいんだぜ? 凄いな、あいつら。
オレは犬だからハダカだけど、パパさんは暖かい恰好だし、ママさんに至っては、ブランケットを身体に巻き付けちゃってる。
ま、お腹を守らなくっちゃいけないから当然だけどさ。
しっかし、潮の匂いと波の音の迫力ったら無いな。
もう大迫力。
――お、そろそろだな。
パパさんの声と共に、海の向こうから朝日が昇って来た。
水平線の向こう側に光が見えたと思ったら、光が海を割って道を作って……夜が朝に代わっちゃった。
――凄い。こんななのね、日の出って。
隣でママさんが呆然と呟いてる。
――うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
感動したのか、パパさんが波打ち際を駆け出した。
ワンワンワンワン!!
オレも嬉しくなって、パパさんを追っ駆けた。
走りながら見ると、ママさんがブランケットをかぶったままニコニコしている。
楽しいな、パパさんママさん。
そして、これが日の出ってやつなんだな。