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第333話 農薬散布
オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
オレは農道を散歩中、不意にイヤな臭いを嗅いだ。
ヤバい。この先は行っちゃダメだ。散歩コースを変更しなくっちゃ!
ワンワン!
パパさん! オレ、そっち行きたくない!
――どうした『みたらし』。ここ抜ければすぐ家なんだから、とっとと行くぞ?
だから、そっち行っちゃダメだって!
力くらべに負けたオレは、結局パパさんの指示する方へ行って……。
――うわ、なんだこれ! 農薬散布だ! 臭っ! 気持ち悪っ!
結局パパさんとオレは、農薬が散布された畑の辺りまで入り込んでしまったので、そのまま農道を突っ切ることにした。
その方が近いとはいえ、まぁ気持ち悪いこと気持ち悪いこと。
こうしてオレたちは、ほうほうの体で帰宅した。
もう! だから言ったじゃんか、パパさん!
今日は酷い目に合ったよ。やれやれ。