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第330話 年度も替わって
オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
ピンポーン。
きたきたきた!
サブスクが来たよ!
年度が替わったとかで、入っているオモチャが前回までの『水の生物』から一新して、違うシリーズになるらしいんだよ!
さぁて、どんなのが来るかな?
ワクワクしつつお座りして待つオレの前で、パパさんが段ボール箱を開けてくれた。
中から出て来たものは……。
……なにこれ?
それは、白い、荷台がついた車だった。
――ほぅ。軽トラだな、これは。
軽トラ? ……あぁ! おじいちゃん・おばあちゃんの家にあったアレか。
畑を見に行ったときに乗せて貰ったっけ。
……え? で、なんで? なんであんな地味な車をオモチャにした?
試しに押してみると、ちゃんとタイヤが回る。
荷台に、まりもボールでも乗せれば、押して運べるな。
……え? なんで年度替わって一発目のオモチャをこれにした?
どんまい、オレ。
とりあえず、荷台に何か乗っけて押してみよっと。