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第318話 弟リターンズ
オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
――おぉ、『みたらし』、元気だったかー?
――あらあんた、早かったわね。
不意に、家に誰か、男性が訪ねて来た。
ママさんに手を振って挨拶すると、オレの方にズカズカ近寄って来る。
おー! ママさんの弟じゃないか。
っと待てよ? 前回来たときに何かあったような……あ、コンビニだ。置き去りにされたんだった。
オレはお座りをしながら、ぷいっと横を向いた。
――この前はごめんな。これ持ってきたから許してくれよ。そら、ジャーキーだ。
うぉ! ジャーキーだ! なら許さないわけにはいかないなぁ。
くっちゃくっちゃ、くっちゃくっちゃ。
――そら!
オレはあっという間に引っくり返されると、弟にお腹をワシャワシャ撫でられた。
あぁ、気持ちいい! そこそこーー!
ふぅふぅ。許す許す。また撫でに来ていいからな。ふふん。
久しぶりだな、ママさんの弟。
そして、今日はゆっくりしていくといいぞ。