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第309話 砂かけ
オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
うむむむむむむむ。
ふぅ。出た出た。
さ、砂をかけるぞ。
――ぶわっ!! ちょ、やめろ、『みたらし』! まだいるってば!!
振り返ると、パパさんが砂まみれだ。
何やってんの? パパさん。
いつもはパパさん、オレが排泄すると、ササっと排泄物を拾うのだ。
でもほら、犬の習性っていうの? オレたち犬は砂かけるじゃん? 排泄物に。
排泄物がその場から無くなっても、気にせず砂かけちゃうのよ、これが。
どうも今日は、拾うタイミングが悪かったみたい。
お陰でオレのかけた砂をモロにかぶったみたいだ。
ドジだなぁ。
どんまい、パパさん。
そして、家帰ったらそのまま風呂に直行するんだね。