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第300話 生き物?
オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
……ねぇ、これなに?
オレの前にあるのは、一か月に一回オレ宛に来るおもちゃ、いわゆるサブスクというやつだ。
紺っていうか紫っていうか、濃い嫌な感じの色をしたカタマリ。
形状としては……うーん。
隣にいたパパさんが頭をひねる。
――これ、ひょっとして、ナマコなんじゃないのかなぁ。
ナマコ? なんか、見た目あんまり良くないね。んで? どうやって遊べばいいの?
オレはナマコぬいぐるみが逃げ出さないよう、左の前足でキュっと押さえた。
ぶちゅるるるぅぅぅぅぅぅぅぅ。
その瞬間、ナマコぬいぐるみの先端から、でろでろ中身が出て来た。
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
ワンワンワンワン! ワンワンワンワンワン!!
――うわっ! 内臓が出るのか! これ!
パパさんも飛び退きながら叫ぶ。
あまりの出来事に、オレは思わず、めちゃめちゃ吠えた。
パパさんもこのギミックにドン引きだ。
なんてもの作ってくれるんだ、サブスク。
そして……うん、こいつではもう遊ばない。