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第28話 おにぎり
オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
パパさんがオレの餌入れ用の鍋に、ホカホカご飯を入れて持ってきた。
たまにあるんだ、こういう日が。
多分、余っちゃって、冷凍するくらいなら、みたらしにあげちゃえってやつ。
でもさ、お米、甘くて美味しいよね。
だから結構好きなんだ。
オレは鍋の中のご飯を見た。
……違うんだよなぁ。
そうじゃないんだよ。
オレはソッポを向いた。
しばらくして戻ってきたパパさんが、まったく口を付けられていないご飯を見てガッカリしている。
ママさんが苦笑いしながら、鍋ごと回収していった。
しばらくして戻ってきたママさんがオレの前に再び鍋を置く。
おにぎりだ!!
中身のご飯が、おにぎりに変わってる!!
いただきまーす。
うまい、うまい!
パパさんが口をへの字にしているが、しょうがない。
どんまい、パパさん。
そして今日も日が暮れる。