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第25話 宅配便
オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
ん? 来た! 例のオジサンだ!!
オレは急いで玄関に行った。
上がりかまちに敷いてある玄関マットの上で、キレイにお座りをする。
ピンポーン。
鳴った!
ほらほら、パパさん、来たよ!
インターホンで誰が来たか確認してから玄関まで来たパパさんが、すでに準備万端で待っているオレに気付いてビックリしている。
パパさんがドアを開ける。
いつもの宅配便のオジサンがダンボール箱を小脇に抱えている。
オジサンがオレに気付いて頭を撫でてくれる。
うむうむ、苦しゅうない。
だが今は、それよりも荷物だ。
何持ってきたのさーー。
見ると、箱がニヤリと笑っている。
よしよし、今日の荷物はオレの読み通り、ネット通販だな。
パパさん、何頼んだ? オレの新しいオモチャか?
オレは、ガサガサ箱を開けるパパさんの前で行儀良く、忍耐強く待った。
……え? 何が来たかって?
オレには関係無さそうなもの。
どーでもいいや。
どんまい、オレ。
そして今日も日が暮れる。