第200話 番組改編期
オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
――おーい『みたらし』、ちょっとおいでー。
……うぉ? オレ寝てたのか。なになに? パパさん。
オレは急いでパパさんの小部屋の前に行った。
収納スペースの中のPCモニターを覗き込むと、そこには見たことのある白い犬が映っていた。
それはどう見ても、ママさんの実家で飼っている『しらたま』だった。
隅に小さく『しらたま大バズリTV』というロゴが映っている。
え? これって……。
――あら、いいわね。それならいけそうじゃない。
いつの間にか来ていたママさんがオレの後ろでしきりにうなずいている。
――ってことで、『みたらし』はクビ。今日までご苦労さん。
えぇぇぇぇぇぇぇ!!
モニターの中では、シッポをブンブン振りながらホーホー言ってる『しらたま』がドアップで映っている。
ウソでしょーーーー!!
フガ! うあ? あーー夢か。焦ったぁ……。
コタツで寝ていたオレはまだ半分寝ぼけながら、辺りをキョロキョロ見回した。
ちょうどパパさんがコーヒー持ってキッチンから歩いてきたので、その足元にまとわりつく。
――お? おぉ、危ないぞ、『みたらし』。コーヒーが溢れちゃうぞ、落ち着け。どうした? 変な夢でも見たのか?
夢で良かった……。
どんまい、オレ。
そしてホント、夢で良かったぁ……。




