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第189話 ぴかぴか 後編
オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
どっひゃー! なにこれ、なにこれ!!
オレは『もなか』の家の前でビックリして立ち止まった。
夜の闇の中、『もなか』の家の塀がキラキラピカピカ光っていた。
滝のように上から下に向かって塀を流れる光は、ナイアガラライトと言うらしい。
サンタやトナカイ、大きな星なんかが光っているのは、モチーフライトだって。
『もなか』の家の塀を、所狭しと様々な色が動き回っていた。
そりゃもう圧巻だった。
凄い……。
――お前も負けてないよ。
パパさんがニヤニヤしながらオレを見た。
家を出るときに、オレの首輪がいつものものでなく、以前パパさんが買った光る首輪に替えられたのだ。
なんで? って思ったけど、こういうことだったんだな。
この首輪、眩しくてあんまり好きじゃないんだけど、この場所には合ってるよな。
――さ、動画撮るから、イルミネーションの近くに行きな。
まかせろ!
カッコいいぞ、オレ。
そして今日は、オレもクリスマスイルミネーションの一部だ。




