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第187話 続・ネコリュック
オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
散歩の途中、今度は真っ白いネコを背中に背負っている男性とすれ違った。
またも二度見する、パパさんとオレ。
そんなことってあるか?
パパさんとオレはこっそり、ネコを背負った男性に近づいていった。
近くまでいってようやく合点がいった。
――ぬいぐるみだ、これ。
どうやらネコのぬいぐるみタイプのリュックを背負っていたらしい。
にしても、ビックリするほど精巧にできてるな。
凄いや。
パパさんとオレは、ネコリュックの男性をさり気なく追い越した。
――あーでも、『みたらし』のリュックがあったら、ちょっと欲しいかもな。
パパさんがそっとつぶやく。
オレは、パパさんに背負われた自分の姿を想像してみた。
……無い無い無い無い。干物じゃないんだから。
どんまい、パパさん。
そして絶対に、オレそっくりのリュックなんて作るなよな。