第175話 二度目のコメント
オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
――コココ、コメントが入った!
パパさんが興奮してリビングに駆け込んできた。
リビングでくつろいでいたオレとママさんは、早速パパさんの小部屋に向かった。
あぁ、小部屋っていうのは、書斎の無いパパさんが収納スペースを占拠して勝手に作った動画編集室のことだ。
元が一畳しか無い収納スペースだから、持ち込んだ机とイスとPCでほぼほぼいっぱいになっており、当然ながら定員は一名だ。
オレとママさんは、パパさんのPCモニターを、開けたスライドドアの外から覗き込んだ。
画面に写っているのは一時停止したパパさんの動画で、内容はと言えば、オレと『しらたま』、越しの紅葉した山、越しの真っ青な海、だった。
うん、『越し』が多いな。
でも、何となく一枚絵のようで、その辺ヘタクソなパパさんにしては良い構図になっている。
――ほら見て、ほら見て、『オー、ビューティフル!』だって。
――あら? これって前にも書き込んでくれた外国の方?
そっか。あれからもパパさんの動画をチェックしてくれてるんだな、その人は。
……随分と奇特な人だな!
良かったな、パパさん。
そして今日はきっと、ご飯が美味いぞ。