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第171話 お向かいさん家のBBQ
オレの名前は『みたらし』。
三歳の柴犬だ。
オレが外で自宅警備をしていると、お向かいさんがガレージに色々置き出した。
テーブルに、椅子に……コンロ。
なるほど、これはBBQをするんだな。
今日は外が暖かいもんな。
にしても、色々ピカピカだな。
ひょっとして新品か?
BBQ用コンロなんて、ビニールを手で破って取り出してるし。
さて、お向かいさんの家のオジさんがコンロと格闘を始めて一時間。
お向かいのオジさんが途方に暮れて顔をして、我が家にやってきた。
――火が点かなくって。
――着火剤、お貸ししましょう。
パパさんは物置から何かのチューブを出してきて渡した。
しばらくすると、無事火が点いたようで、お向かいのうちから歓声が聞こえてきた。
良かった。これで肉焼けるな。
後でちょっと貰え……やっぱ期待はしないでおこう、うん。
オレは再び庭に寝そべった。
日向ぼっこ再開っと。
どんまい、お隣の家のオジさん。
そしてきっと、肉が美味いぞ。




