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第165話 バースデー
オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
ボサっ。
オレはいきなり金色の三角帽子を被せられた。
ちょっと! 何してくれてんのよ!
――ハッピバースデー、トゥーユー!
なんだなんだなんだ?
みんなして一斉に合唱し始めたぞ。何が起こってるんだ?
――今日は『みたらし』の誕生日なのよ。ほーら、これをお食べ。
ママさんがオレの前にマグロを置いてくれた。
え? え? 食べていいの?
オレはマグロの切り身を、ペロリと平らげた。
うっは、これは美味いぞ!
ママさんがニコニコしながら、次の切り身を置いてくれる。
誕生日って凄いな。こんなにごちそうが続くなんて。
オレのご相伴に預かった『しらたま』も、ママさんからマグロを貰って、美味しそうに食べている。
おぅ、遠慮すんな。オレの誕生日だけどな!
パパさんが、そんなオレたちの様子を笑いながら撮影している。
そっか。オレ、今日から三歳なのか。
……大人だな!
おめでとう、オレ。
そして、なんと今日一日、オレの誕生日が続くらしいぞ!