161/365
第161話 銀杏
オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
夕方の散歩で、オレたちは神社に行った。
参道の左右に立つ大きな木から散った葉っぱで、一面黄色になっている。
しかも、誰か集めた人がいたようで、こんもりとした葉っぱの山が点在している。
およよ? この葉っぱ、黄色いよ。
しかも変な形してる。
――これは、銀杏の葉っぱよ。面白い形してるわよね。
ママさんが教えてくれた。
まるで葉っぱでできた布団だ。
オレは葉っぱの山に、勢いよくダイブした。
続けて『しらたま』もダイブする。
面白い! 面白いぞ、『しらたま』!!
案の定、神社の人に盛大に怒られた。……パパさんが。
オレと『しらたま』がママさんに連れられて散歩を続行している間、パパさんは竹箒片手に頑張って葉っぱを集めていた。
うむ、ご苦労!
どんまい、パパさん。
そして、そんなにボヤくなよ、パパさん。