155/365
第155話 続・サービスエリアにて 前編
オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
夏にママさんちに行ったとき、帰るときに上りのサービスエリアに寄ったんだけど、今日は下りのサービスエリアに休憩に寄ることになった。
駐車場に入ってホっと息を吐いたパパさんが運転席のドアを開けると、いきなりクリーム色のカタマリが飛び込んできた。
チワワだ。
シッポをすごい勢いで振っている。
――ね、首輪見て。『ももも』だって。
――個性的な名前だね。
そのときだ。
――うちの犬がすみませーん。
飼い主さんが慌てて走ってきた。
若いお兄ちゃんだ。
――『ももも』ちゃんって、可愛い名前ですね。
――え? ももも? ……あはははははは。それじゃ、どうも……。
お兄ちゃんは『ももも』を受け取ると、そそくさとどこかへ行ってしまった。
何だろう。急いでいたのかな。
パパさんとママさんは顔を見合わせて、揃って肩をすくめた。
今回は前後編だ、みんな。
そして次回へ続く!