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第149話 カボチャ
オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
ウソだろ? これで散歩行くの?
めちゃくちゃ動きづらいんだけどな。
必殺、柴ドリル!!
ぶるぶるぶるーー。
……外れない。しゃーない、このまま行くか。
案の定、オレは猛烈に注目を浴びた。
もう、あっという間さ。
――何、あの犬! カボチャがいっぱいくっついてる!
――ホントだ、可愛いーー!!
女の子たちが即座に寄ってくる。
お子さまたちも走ってきて、ワサワサ撫でていく。
――ほら、カボチャなんだけど、横から見ると串ダンゴみたいでしょ。
――ホントだ、ダンゴ、ダンゴ。
パパさんが照れながら得意げに説明しているのがいまいち納得いかないが、とりあえずみんな笑顔だ。
……え? オレ、モテモテ?
なんか、いい気分になってきたぞ?
パパさん、行くぞ! もっと人がいるところへ!
キュートなオレを、いっぱい撫でて貰うんだ!
オレは得意満面で散歩した。
ドヤっ!
カッコいいぞ、オレ。
そして今日もモテモテだ!




