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第130話 芋掘り
オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
畑で子どもたちが何かをやっている。
ねね。あれ、何だと思う?
散歩で通り掛かったオレは、そこで立ち止まって子どもたちを眺めた。
気づいたパパさんがオレと子どもたちを交互に見る。
と、畑で歓声が上がった。
子供の引っ張った蔓に、サツマイモが鈴なりになっている。
――あれは芋掘りだな。
パパさんが教えてくれる。
ほぅほぅ、あの芋か。
ママさんが前、焼いてくれたことがあるんだが、焼き芋にすると上手いんだよな。
――犬だ!!
子どもたちが叫ぶ。
おぅ、犬だぞ。
何人も、オレに向かって手を振ってくれる。
うむうむ、子どもたちも、楽しそうで何よりだ。
オレは、返事代わりにシッポを振ってやった。
楽しそうで良かったな、子どもたち。
知ってるか? 焼き芋は、とっても上手いんだぞ。
ワン!




