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第120話 緑色
オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
……なんだこれ。
横を見ると、パパさんもママさんも、首を傾げている。
今日、例のサブスクが届いた。
月に一度のお楽しみってやつだな。
ダンボールの中から出てきたそれは、直径二十センチほどの緑色のボールだった。
ボールの表面には、人工芝が植えられている。
意味が分からない。
説明書を見た途端に、パパさんが大爆笑した。
まりもだって!
……まりもって何だ?
何だか良くわからないが、折角オレ宛に来たものだ。
ありがたく遊ばせて貰ったさ。
半日でボロボロ人工芝が抜け落ち、翌日には、ほぼほぼ、ハゲになった。
的なモノだけあって、あっという間にダメになったぞ。
ま、面白かったからいいけどさ。
どんまい、オレ。
そして今日もオレは、かつて、まりもだったボールで遊ぶ。