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第104話 海外
オレの名前は『みたらし』。
二歳の柴犬だ。
パパさんが秘密の小部屋で動画の編集をしているので、お邪魔することにした。
膝の上にヒョイっと乗っかる。
すると、パパさんが編集作業をストップして、動画を一本見せてくれた。
モニターに、海外の風景が映っている。
太った外国の男性が、山の中、犬と一緒に散歩している。
どこの国かは分からないが、自然がとても豊かだ。
景色が抜群にいい。
こんなところで毎日散歩できたら、楽しいだろうな。
パパさんもそう思ったみたいだ。
オレを撫でながら、こんなところに住みたいな、なんて言ってる。
でも、確かに景色はいいが、山登りだぞ？
パパさんの今の体力だと厳しくないか？
オレは収納スペースから出ると、リードを持ってきて、パパさんの前に置いた。
さ、運動だ。
体重落として、スタミナをつけよう。
パパさんがオレの意図を悟って、苦笑いを浮かべる。
はいはい、だって。
頑張れ、パパさん。
そして痩せて、いつか海外旅行しよう。
