イメチェン開始
オレの名前は、守 まもる
小学校の頃から全くモテない眼鏡男子。
手の甲に傷がある。
オレは、
なんの取り柄もないのでとりあえず勉強を
人並み以上に頑張ってきた。
だからって、大した自慢にもならない。
大学に入り、彼女もちが結構いるなかオレ
は、未だに彼女なし。
学年一美人と騒がれている女性がいる。
一度だけ近くでみた事がある。
髪が長く、程よいいい香りがしたのを覚え
ている。
天使のようだった。
その天使がファイルを落としたから手でほ
こりを払って拾ってあげた事があった。
なぜかその天使、オレの手の傷をまじまじ
とみていた。
? ? ?
それからすぐ
夏休み
冴えないオレだけど、少し頑張ってみたら
なんか世界が変わるんじゃないか⁈
試しにやってみよう‼︎
まず、このボサボサの髪…
自分でも思っていた
不衛生だと…
ここは、思い切って有名美容室を予約した。
髪型は、お任せにした。
眉も綺麗に整えてもらった。
眉なんてうまれて一度もいじった事が無か
ったから、だいぶ印象が変わってみえた。
美容師さんがずいぶん変わりましたねと、
大絶賛してくれた。
確かにそうだろう。
少し変になりましたねなんて言ってしまっ
たら、クレームの嵐になってしまう。
さすが、営業トークが上手いと感心した。
そこで、おすすめのワックスも購入した。
今まで、ワックスなんて使った事がなかっ
た。
色々なアレンジを伝授していただいた。
なんだか、面白い。
着せ替え人形をしていた妹を思い出す。
こんな感じで楽しかったのかと。
ならば、次は服だ。
店員さんおすすめの洋服を何着か購入した。
もともと、高身長だから遠目から見れば少
し、マシかもしれない…
調子に乗ってサングラスをかけてみた。
誰だよお前‼︎
鏡の中の自分にびっくりだ。
あとは、少し身体を絞るか…
カロリー制限して、運動をしたりした。
長風呂もやっている。
意外と勉強疲れもリフレッシュされていい
もんだ。
健康的な体になりつつあった。
なんだか、いつもより怠さがない。
コンタクトも購入した。
虫歯もなし!
いよいよ新学期
今までになかった女性からの視線をしばし
浴びている気がした。
もしかしたら、頑張った成果か?
それとも、間違った進化をしてしまったの
か?
正解がわからない…
ドギマギしながら、
天体サークルに向かった。
サークルのメンバーに意見を聞いてみよう。
ガラッ
ドアを開けるとみんなキョトンとしている。
どちらさんですか?と言わんばかりの顔…
「オレ、守」
すると、サークル仲間が顔を見合わせ…
みんな揃って
「えー‼︎マジかよ。なんのドッキリだよ。
カメラあんのか」
と一斉に騒ぎだした。
いいリアクションをくれたみんなに聞いて
みた。
「オレ、どう…?」
マジスゲーと大絶賛してくれた。
いい方でよかった。
次の日、講義を受けるため後ろの方の席に
座った。
隣の席には基本誰も座らない。
不衛生が漂っていたのだろう。
なんとなく、雰囲気でわかった。
少し変わったオレだけどやっぱり隣には、
誰も来ないだろうと油断していた。
カタッ
「お隣いいですか?」
にっこり笑って話しかけてきたのは、
あの学年一美人天使じゃないか‼︎
びっくりして思わず椅子から落ちるかと思
ったぜ…
「あ、はい。どうぞ…」
一応冷静を装ってはいたものの心は、バッ
クバクだった。
なんで天使が隣に…
あたりを見回してみた。
他にも席空いてるぞ⁈
どうした!天使‼︎
その講義をあまり集中出来ずに終わってし
まった。
天使の威力すごすぎ…
もしかして、オレのパワー吸い取ってない
か⁉︎
隣にいるだけ緊張した…
ふらふらになりながらサークルに向かった。
ガラッ
ドキーン‼︎
なぜ天使がここに…
サークル部屋を間違えたと思いドアを閉め
た。
少し離れてドアをみた。
やっぱり天体サークルだよな⁈
でもなんで天使が…
もしかして、あの天使はオレのパワーを吸
いとる悪魔なんじゃ…
とりあえず、今日はサークル休もう。
そのまま家に帰った。
サークル仲間から連絡が来てた。
なので、急用ができたって適当にごまかし
た。
次の日の講義。
まさかまた天使隣に来ないよな…
ドキドキしたが天使は、隣に来なかった。
ホッ。
知らない男性が隣だ。
安心して講義を受けられた。
今日は、サークルないし帰るか。
そう思って荷物をまとめて席をたった。
すると斜め後ろに天使が立っていた。
うおっ
オレは持っていた荷物を落とし、それどこ
ろか、まさかの天使に
壁ドンをしてしまった。
何してるんだオレ…
でも、ぶつからなくてよかった…
すぐに手をどかし
「ごめん。」
と言い、荷物を拾った。
すると天使がまさか…
続く。