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第七話 いい従者を持ったのぅ

ガー爺「ふむ・・・このダージリンティー、風味がいい。どこで買ってるんじゃ?」


ラウンジテーブルの椅子に着席し、ガー爺はリィゼルとヴァンシーが用意したティーセットを口に運んでいる。



その様子からは先ほどまでの緊張感は一ミリもなく、ただのほほんとしていた。




リィゼル「仕入れはこの(ヴァンシー)が。私は街に出られませんから」



フェルト「動物を使役して、街の人から血を採取しているのはあなたなんですか?」



リィゼル「そうね…そうしないと生きられないの」



ヴァンシー「ご主人さまはこれでも最小限の血に留めてるよ!動物たちの扱いだって上手い…そりゃ全く痛みなくってのは無理かもしれないけど殆ど跡が残らないように…すこしだけ貰ってるだけなんだよ!」



ヴァンシーがリィゼルをかばう様にフェルトの前に身を乗り出す。



フェルト「安心してください。私たちもわかっています」


ガー爺「そうじゃ、みんなやれ吸血鬼だドラゴンだと騒ぎ立てるが、ありとあらゆるモンスター・幻想生物と相対してきたワシから言わせてもらうとそんなことで…はしゃぐな!と言いたいなぁ」


フェルト「はしゃいでる訳ではないと思いますが…」

ゴクリと暖かい紅茶で喉をうるおすと、ガー爺は椅子から立ち上がり、そして懐から一つ、小さな布袋を取り出してリィゼルのほうへ差し出した。



リィゼル「これは…?なんでしょう?」



ガー爺「ワシの調印じゃ。そんなに数は無い。ワシと親愛なる友人になった者にこれを手渡すことにしておる」


布袋の口を傾けると、金色に光る特徴的な調印がコロリ、と出てくる。


リィゼル「それを…どうして私に?」


ガー爺「ワシは好奇心だけでこの歳までガーディアンをやってきた。

新しいものに対して不安を感じるのは人も動物も同じじゃ、じゃが、ワシは個人的に吸血鬼・ドラゴン・ワイバーン・グリフォン・カリュブディス・キメラ・その他幻想生物は大好物なんじゃ」



フェルト(全体的に空を飛ぶ種族多めだなぁ…ご老体は飛行生物が好きなのかな?)



リィゼル「ふふっ…おかしいわ。あなたから見たら私は珍獣?」


ヴァンシー(ご主人様が………わらった!)

この日はじめて笑顔を見せた主人に、ヴァンシーは感動してちょっと泣いた。


ガー爺「どうじゃ?爺からの贈り物、受け取ってくれんかのぅ?」



リィゼル「はい、ありがたく。断ったらなんだか小物みたいですからね…」



リィゼルの顔からも、先ほどまでの緊張感は消え

どこか優しい目つきに変わっていた。


ガー爺「お礼なら、そこのヴァンシーにも言ってやってくれ。主人思いのいい従者じゃないか」



リィゼル「ヴァンシー……ありがとう」


ヴァンシー「ご…ごっ、ご主人様~~~~~っ」



ヴァンシーの頬に触れながらリィゼルは過去の出来事を思い返していた。



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