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急にこの世を去ってしまいました…

どーも鳶助です。魔法の世界の軽率に銃とサッカーを持ち込みたい作品です。どうぞよろしくお願いします。

 『事実は小説よりも奇なり』という言葉を知っているだろうか。意味は、現実で実際に起こっていることは、小説よりも奇妙であるというもの。使用例なら、実際に目の前でツチノコやビックフッドを見たとか、自分が居合わせた銀行で銀行強盗が起きたとかそんな感じだ。何故、俺はそんな話をしたのかというと、今実際に目の前で起こっている事が、まさしくその状況だなと思ったからで…


「単刀直入に言うと、君は死んだのだよ」


 立派な白髭をたくわえた老人が神妙な顔でそう告げた。老人の言うことを全て信じるとして考えればここは死後の世界ということになる。死んだ実感がわかないのだが。


「じゃろうな。若いものにしては安らかに死んだからのぉ。急性心不全じゃったか?」

「ちょっとまって俺そんな急病であの世に行ったの?」


 流石に口をはさんだ。たしかに死ぬ前にやっていたことって、休業中の暇をつぶすために家に引きこもってお菓子片手にゲーム三昧だったけど…。まぁ思い返せば思い当たるところはかなりあるけど。にしても社会人になった直後にロクに仕事もせずに不摂生で死ぬとか汚点すぎる。なんとか挽回する余地があればいいけど…


「あるぞ?」

「わかっていたけど心読むのやめてくださいます?」


 当たり前のように心を読んでくる老人に俺は返す。


「挽回の機会が欲しいのじゃな?」

「はい」

「そうなれば話が速い。早速特典を選んで…」

「ま て や」


 どこか聞いたことがありそうな展開に思わず待ったをかけてしまった。このままいけば、間違いなくチート能力を持たされて知らん世界に放逐されてしまう。何より、万能な能力とか勘弁してほしい。なんだって面白くない。とはいえ、能力が無かったら詰みになる可能性があるわけである。


「まず、転生する場所は?」

「しらん」

「…じゃあ、特典は選んで良いんだよね?押し売りは無いよね?」

「勿論。」


 老人、おそらく神と思しき道楽者の言葉を聞いて真剣に転生特典を考えることにした。


「ある程度前世の記憶を保持すること。学力は良いとして、古い言語まで読み解ける能力だけあればいいや。後は、『モシンナガンM28』と『7.62×54R弾』、『コンバットマグナム』、『.357マグナム弾』、『トンプソン・コンテンダー』の設計図とその実物。弾丸に関しては設計図と一緒に実物を五発まで頂戴。あと、なるべく俺の記憶の新しい世界で頼むわ。」

「魔力とか特殊なことはいらないのかい?」

「そこは適当でいいよ。必要になったら自分で何とかするよ。」


 俺は、手をひらひらさせながら言った。それに老人は興味深く考えながら、


「ふむ、皆は救世主になる、魔王になると言って桁違いに大きい力を要求してくるが、お前は違うようじゃの。」

「いや、古代文字の解読が出来る時点で人間やめてる気がするけど…。あと銃も場合によっちゃかなりのチートよ?」

「前の奴は、全属性マシマシ見た目も絶世の美男子にした挙句にどれだけ食べても太らない完全な体を手に入れて転生していったぞ。」

「ナマ言ってすみませんでした…」


 老人の言葉を聞いて無意識で土下座をしてしまった。まぁ、転生できるなら好き放題やりたいよなー。気持ちは分かる。だけどよく言うじゃない。『美女は三日で飽きる』、この理論で行けばべらぼうなチートは三日で飽きてその後自殺したくなるでしょ。


「最近では、スローライフを暮らしたいと言っている者も多いが、この転生業界も人材不足でな。そんな平穏な世界に転送できないのじゃよ。」

「へー。確かに、そんなジャンルもありますよね…いやよく考えると転生業界ってなんだよ、何?神様の世界にも派遣業とかあるの?」

「ん?この異世界転生がまさしく派遣業だが?ただ違う点があれば片道切符ってところかの」


 そんな神様の聞きたくない裏事情を聞いていると何処からかアラームが鳴った。


「おっと、次の客人が来たようじゃの。くれぐれも儂の評判を落とさぬようになー」

「色々ツッコミたいけどもういいわ。とりあえずたのんだよ?」

「応ともさ。お前の要望ならすぐにでも用意できる。安心せい。以上をもって儂との交信もできなくなる。最後に聞いておきたいことはあるかの?」


 神が、にこやかにそう聞いてくるので、俺は気になったことを聞くことにした。


「転生って赤ちゃんからやるんですか?」


 それに神は、当たり前だと言わんばかりに、


「そうじゃよ。」


 と言ったと同時に視界が暗転した。

言うまでもなく次回は赤ちゃんから幼児に向かってのあれです。異世界転生って、神様から見れば人材派遣業だなっと思い、そんな神様視点の作品はあるのでしょうか…

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