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02 最初の進化は突然に

不定期更新です。



「ぐっ、がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」




白い部屋から戻ってくる同時に身体中を襲う全痛神経を針で直接刺されるような激痛にみまわれ、思わず叫び声をあげてしまう。




『膨大な量の神気を確認しました』




え?



突如として脳内で流れたアナウンス。

虚をつかれたことと激痛による自身の叫び声でよく聞こえなかったが…

気のせいか?




『適応します』

『最高神ア&%ヴィ¥/ノの使徒を神気に適応させます』

『神格の得ています』

『神祖:聖魔人へ進化します』

『エネルギーの不足を確認しました。足りない分を魔力で補充します』

『進化を開始します』




あ、はい…?



アナウンスが終わると身体に強烈な倦怠感と睡魔が訪れた。

急激な体調の変化に変えきれず、僕は意識を手放した。




『進化が完了しました』




落ちた暗闇のなかで、無機質な女性の声が聞こえた気がした。




「――――っん、ふぁあ」




朝になったのか、差し込む日の光が目にあたり、目を覚ます。




「ん?」




僕はある違和感に気づく。




「魔力が…ほとんどない?」




大したことがないように聞こえるかもしれないが、これは異常だ。

普通魔力がない、もしくはほとんどない状態――魔力欠乏症――というのは昏睡状態、または死を意味する。

それほどまでに危険な状態なのだ。



それゆえに、魔力は人にとって空気と同じくらい必要不可欠なものとされている。



だが、今の僕は、魔力がほとんど残っていないのにも関わらず、しっかりと意識を保ち生きている。



さらに言うと、起きてからおかしいくらいの量のエネルギー?のようなものを感じる。魔力とは別の、何かこう…全能感みたいなのがある。

これが神気か?




『解。肯定します。貴方様が使徒となられる際に最高神より賜った力にございます』

「何となく「わかる」んだけど、君が「異能」だよね?」




突然脳内で響いた声に驚くことなく訪ねる。




『解。肯定します。貴方様のスキル「適応」及び貴方様をサポートする、最高神より作られし異能、「マネージャー」にございます』



マネージャーさんか…呼びづらいな…



マッサン…はちょっとあれだな。声は女の人だし、マーさん…お、マーサとかどうだろう。


「よし、今をもって貴方をマーサと呼ぶことにします!」


『名付け「マーサ」を確認』

『神気を吸収し、異能「マネージャー」が神能「マーサ」へと特異進化しました』


え...?




「どういうこと?」




神能?




『ありがとうございます!貴方様が私に、マーサという名前をつけてくださったことで一介の異能だった私は異能を完全に超越した、自我を持った神能へと進化いたしました』




神能…神の能力ときましたか…何かすごそうだけど




「どういたしまして?でも、名前をつけるだけで成れるんならいくらでもつけてあげるよ?」




名前はカッコいいけどこの世界でも結構あるものなのか?




『いえいえ、ただ名前をつけるだけでは進化、ましてや神能に至るようなことは起きません。貴方様の膨大な神気を吸収したのが主な原因ですね。神気を持っている人間は、勇者や聖騎士をはじめ、神を信仰する協会関係者などは多少、神気を保有していますが神能に至るには圧倒的に量が足りないのですよ。神気の最大値は増えませんしね。なので、ただの人族で神能を所持しているものはいないのです』




おお、口調も機械的じゃなくなったな。




「なるほどね。ていうかさっきからしれっと僕を人外扱いしてるけど、僕って何者なの?何か変わった感じはしないんだけど、聖魔人…だっけ」

『新しいの種族のようですね。膨大な神気と定着した人族の魔力に適応したのでしょう。御身をスキャンいたしましたところ、現在、人族に必要不可欠な魔力を神気で補っておりました。両方枯渇すれば危険ですが、どちらか一方なら問題がないように思われます。』

「…なるほど、確かに人ではないな」




自嘲するように笑って言う。

まあ、人ではないのかも知れないが、そこは別に重要じゃない。そんなに人間という種族に思い入れがあったわけでもない。


僕としてはむしろ、



ん?



「ちょっといい?魔力って使えば使うほど上がるんだよね?」

『その通りです。最大魔力から多い割合の魔力であるほど効果的です』

「でも、人は魔力を使いきってしまったら死んじゃうんだよね?」

『そうですね。比較的、脆弱な生命体ですから』

「じゃあ魔力なしでも生きられる僕は魔力上げ放題ってこと?」

『そうなりますね』



!!!



これは…あれか。

地球でいうところの、チートってやつか。



「あ、そうだ。聖魔人って何か詳しくわかる?自分の種族だし知っておきたい」

『神祖・聖魔人ですね。人族を遥かに越える身体能力をもつ、神気と魔力を併せ持った種族です。神祖ですので不老ですが、成長はしますので肉体の最盛期で老いなくなります。容姿、身体の構造などはほとんど人族のままです。寿命もありません』

「魔人って魔族とは違う?」

『はい。魔族とは俗に、闇属性の魔力を持った種族のことを指しますが、魔人の「魔」は単に魔法、魔力のことですので違うと言えます』



それは良かった。人族の敵対種族になってたら色々と面倒だしな。

寿命は…大丈夫か。魔力の多い人って更けないとか言うし、300年前の大賢者って呼ばれる人もまだ生きてるって父さんが言ってた。一人全然容姿が変わらなくてもそんなに目立つことはないだろう。



「キュルルル」



色々と考え事をしていると自分の腹が空腹を主張してきた。ご飯の匂いに反応したようだ。



「そういや朝ごはん、まだだったな」



いつもにまして減っている腹をさすり、美味しそうな香りを辿るように寝室を出た。



不定期更新です。

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