君が置き去りにしたもの
会うたびに君は
何かを置いていく
物だったり
者だったり
モノだったり
吸いかけの煙草の箱なんて
珍しくもない
どうせいらないだろうと
1本もらってみたけれど
こんな物の何が
美味しいのやら
君は友達も忘れていった
変な人で
ずっと2人の関係ばかり訊く
いつからなの?
長い付き合いなの?
将来どうするの?
少々不躾なくらいに
それに対する答えは
なんて事はない
「ただの友達です」
時々
何もかも置いてけぼりに
されることがある
物ではない
者でもない
何かはわからない
それでも
店を出ていく君の背中を
止められたことはない
いつだってそうだ
煙草も
友達も
私も
食べかけのハムも
なんだって置いていく
君に未練なんてものは
きっとないんだ
何故だか酷く
寂しくなるんだ