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007

と満面の笑顔を見せるのは鮎川(あゆ)

 俺の幼なじみで黒髪の長髪と大きな胸が特徴の活発な印象を受ける女の子だ。

 そして子供っぽいくて色恋に疎い純粋な奴だ。

 そのせいで無自覚に振った男は数知れず。

 告白を受けて君誰? 知らない人に声をかけられたらついて行かない様にお父さんお母さんに言われるもん!

 などと言い出すので今では告白する命知らずは皆無。

 抜群に可愛いんだけどな。


 「雲気っちまたお手紙もらったの?」


 「まあいつもの事だ」


 「流石雲気っち! モテモテだね!」


 「ちゃかすな鮎川」


 「むう雲気っち! 私は鮎か鮎っちて読んでっていってるじゃん! 私達友達でしょ?」


 「まぁそうだが、別に変らんだろ」

 

 「だって私たちラブラブじゃん!」


 「仲がいいのをラブラブというのは止めろ! 変な誤解を受けるだろうが!」


 「えーだって、お父さんとお母さんいつも私たちは仲良しでラブラブって言ってるよ?」


 「それはそういう関係だからな。友達でラブラブとは言わん」


 「よくわからないけど、そういう関係になったらラブラブなの?」


 「まぁそうだがおこちゃま精神のお前にはまだ早い」


 「むう私はもう大人だよ! お母さんと同じくらい胸大きいもん!」


 鮎川の父親は大会社の社長母親は元モデル。

 ここまで恵まれているが精神は完全におこちゃまだ。

 ファミレスでお子様ランチを食べたいと平気でごねる。

 体は大人精神は子供。

 どこぞのショタ名探偵とは大きな違いだ。


 「そうじゃないまぁいいや……教室行くぞ」


 「待って雲気っち!」


 「なんで俺の腕を持つ?」


 「だってお父さんとお母さんが出かけるときいつもしてるよ? 私と雲気っちの仲じゃない!」


 「だから止めろって!」


 「えーいいじゃない!」


 「全く仕方ないな、教室までだぞ!」


 「そういう雲気っちの押しに弱いところ好き! じゃあいこう!」


 鮎川は上機嫌で鼻歌交じりで俺の腕を前後にゆらしながら歩いていく。

 サイトはいつの間にかいなくなっていた。

 鮎川は昔から俺に懐いていて、いつもこんな感じだ。

 ぎゅーと程よく力を入れて腕を握ってくる。

 そのせいでたわわな双丘が腕に当たって心地良い弾力を返す。

 男としての本能は当然のごとくねじ伏せる。

 純粋な好意に対して欲情を催すなど男として恥ずかしい真似は出来ない。

 そのまま俺たちの教室1-Aへ向かう。

 教室に入ると俺は自分の席一番後ろの窓際その隣は鮎川だ。

 ちなみに斎藤は一番前だからどうしたと電波を受信した気がした。

 鮎川に腕を離してもらい椅子に腰かけると。


 「うお!?」


 椅子が急に下がった。


 「大丈夫雲気っち?」


 「大丈夫いつもの事だ」


 と椅子を確認すると椅子の高さを調節する留め金が変形していた。

 いじめや嫌がらせでは当然ない。

 普通ならあり得ないが俺からすれば慣れたもの。

 教室の隅に置かれた予備の椅子と交換する。

 これは俺のための特別な処置だ。

 当然ほかのクラスに予備の椅子や机は用意していない。

 それから鮎川とたわいない話をして、時間をつぶしていると。

 教室の戸がガラガラ。


 「皆席につけ、担任の川田先生が病気のため暫くの間休まれるから、それまでの間担当してもらう先生を紹介する。では楓先生お願いします」


 「よろしく楓風花です。お願いします君たち」


 そういわれて入ってきた人は今朝あった楓先生だった。


 「あら? 雲気君じゃない! 改めてよろしく」


 楓先生は手をひらひらとさせる。

 一時の沈黙。

 次に聞こえた声は。

 「不運に愛された雲気がこんな美人とお知り合いだと!?」

 「鮎川さんという人がありながら不運さん今スグにでも雲気に天罰を」

 「なんであんなに運が悪い奴ばかりに可愛い子が集まるんだ」

 「羨ましい運勢以外俺と変われよ」

 こいつら勝手な事を。

 すると次に質問が飛んだ。


 「楓先生雲気とはどんな関係ですか?」


 「そうね雲気君は私の初めてを奪った人ね」


 「ただの事故いかがわしく言うな!」


 「そのあと揺れる車で楽しんだじゃない」


 「車に乗せてもらっただけですからね!」


 「冗談よ。雲気君! 君がいくらカッコよくても生徒とそういう関係にはならないわよ! 漫画じゃるまいし」


 悪戯っぽく笑う楓先生。

 それから楓先生の質問を何回か挟みなんとかクラスメイト達の誤解を解き。

 時刻はとんで昼休み。

 その間の不運の主だったところは、教師が居眠りをしていたクラスメイトに投げたチョークが、偶然払った腕で起動が変わり俺の額を直撃。

 チョークを投げた教師の平謝りに心が全くこもってなかったことか。

 俺は鮎川をつれて学校内のクラブ棟へ。

 目的の場所はオカルト研究会とすり切れた書かれた文字の部屋をノックする。


 「雲気と鮎川です。先輩いますか?」


 「いるよ入って来たまえ」


 「失礼します」


 「入るね琴音(ことね)ちゃん」


 

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