002
「もう酷いじゃないですかもう! 棺桶の蓋をガムテープで塞ぐなんて! 私のような可愛くてナイスバディの女の子に酷いです!」
と変質者? 女は棺桶の蓋を壊し起き上がる。
札から除く顔は可愛らしく見えるが、薄い胸をどんを張られてもな。
背も小さいから足が短いせいでチャイナドレスの生足の脚線美も中途半端だ。
「黙れ変質者! 自宅の前に棺桶を置く女がまともなわけあるか!」
「変質者じゃないです! 私には杏杏という名前があるです!」
「分かった杏一応理由を聞いてやる。内容次第でこれからの行動を決める」
「私は日本生まれ日本育ちのキョンシーです!」
キョンシー……確か大陸発祥の死体を操る術で使役する動く死体だったか。
「なんで大陸のゾンビが日本にいるんだよ?」
「むう! 私は知能のないゾンビより遥かに格上です! 私は仙人様の術で蘇った特別なキョンシーです!」
駄目だ理解が追い付かない。
俺の手は自然へとスマホに動いた。
流れる動きで110番。
「すいません警察ですか!?」
「どうなされました」そう電話口に聞こえるが。
俺の腕をつかんでいる物を見て思わうフリーズしてしまう。
「どうです? 私の体は着脱可能です!」
そう言って片手を外し俺の腕を掴ませて俺に見せつける杏。
俺は静かに通話を切った。
腕を元通りにする杏。
「でっその日本生まれ日本育ちの可愛くて、ナイスバディのキョンシー杏様が俺の家の前で棺桶寝ていた理由は?」
「そうですけど……何って行き倒れです! もう三日も何も食べてません!」
「だから棺桶で寝ていたと?」
「そうです! 私のような特別なキョンシーは棺桶で寝ていないと自我が薄れてしまうのです! この棺桶は自己再生機能とと小さくして持ち運べるのですえっへん!」
そういって杏は棺桶を縮小して胸もとからのぞく絶壁に収めた。
これだけ薄い胸の谷間に収納だと……仙人の技スゲー。
「そんなわけです! 私に食事をご馳走してください!」
「やだ!」
即決で断言する。
「何でですか!?」
「だって面倒事の匂いが……」
あっやべこのパターン……。
「いいじゃないですか! 私は陰陽極運剣を探しだなさないといけないんです!」
陰陽極運……どっかで聞いた気がアッ……あの本。
バックをあさり本を取り出し杏に差し出す。
「これはどこで手にいれたのです?」
「古神屋とかいう店の人にもらった」
「これは運命です! 仙人様は言っていたです! この本を持つ人を探せと! というわけで協力お願いしますね!」
「なんで俺が」
「仙人様が言ってたです! この本を持っている人はとても運が悪いと! 私が陰陽極運剣を手にいれればそれは解決できるです!」
「どうやって?」
「陰陽極運剣の鞘は不運を集め、刀身は幸運を集めて持ち主に還元するです! その二つが揃えば全ての運気を改変できるはずです!」
その言葉に俺は即決する。
俺の直感は断れないと大音量で伝えてくる。
選択肢は一つしかないようだ。
「分かった乗った! 杏」
俺は杏に手を差し出す。
握り返す杏。
「よろしくです! えーと」
「雲気霞」
「よろしくです雲気さん」
「でその鞘と剣はどこにあるんだ?」
「分かりません。ただこの町に現れるとしか知らないです。剣は持ち主は分かるのですが……鞘は分かりません」
「剣は誰が持ってるんだ?」
「美神楓という名の女性です。とても綺麗な方だそうですが、陰陽極運剣の力でもう何百年も生きているそうです。鞘を手に入れ永遠の美貌を得るために、この町に現れると聞いています」
「わかったでも杏が陰陽極運剣を手にれるメリットは?」
「私達キョンシーは陰気の力で活動しているです。人間は陽気と陰気両方を併せ持ちその力で活動するです。簡単に言えば陰気しかない私の体に陰陽極運剣の陽気を入れて、人間として生き返るためです!」
「そうかなら食事だな」
「その前に陰気を少しもらっていいですか?」
「別にいいけど上げたらどうなるんだ?」
「陰気が少なくなることで運気がほんの少しの間だけ上がるはずです。でも雲気さんの陰気が強大すぎていくらとっても一時だけですが」
「ふーん俺に害がないなら適当に食っていいよ」
「ほんとですか! ではマーキングです! 片膝をついて中腰になってください」
そういわれ俺は片膝をついた。
「ではいきます」
次に額に軟かくて冷たい何かが触れた。
「乙女のキッスです! これでいつでも陰気が食べられます! ではいただきます!」
杏は大きく息を吐き大きく吸い込んだ。
俺の何かが吸い込まれる感覚。
「凄いです! 数十年ぶりの感覚です!」
「そうかいならって!?」
顔を上げるとそこには。
「どうです! これが私の本来の姿です!」
そこにはナイスバディで足の長い豊満な女の人がいた。